
NPO団体のweb担当者が、どんなに忙しくても最低限チェックすべき7つの項目
あるNPO団体のwebサイト担当者が、公式サイトのパフォーマンスをチェックしました。
「セッションが毎月増えている、順調順調」
担当者はとくに問題はないと考えて、そのままの運営の仕方を続けました。
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以上の話を聞いて、「自分と同じだ」と思った方は黄色信号です。
今回はwebサイトの運営担当者として、「最低限ここだけはチェックすべき」というポイントをまとめました。
webサイトの全体数値だけを見て満足していませんか?
他の業務で忙しいと、セッション数や問い合わせ数などの全体数のみを見ている暇しかないかもしれません。
確かに、ちゃんと右肩上がりで成長できているか、webサイト全体数の推移は確認すべき項目です。
しかし、その内訳まで見なければ、喜んでいいセッション数の増加なのかは分かりません。
例えば「リファラスパム」という、実際には人がwebサイトに訪れているわけではないのに、GoogleAnalyticsのような計測ツール上でセッション数が数えられてしまうスパムがあります。
いきなりセッション数の全体数値が増えた、という場合はこのリファラスパムによる場合があるのです。
しかしセッションの全体数値の推移だけを見ていても、内訳も見なければ、これには気付けません。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、「森を見ているから木は見なくて良い」ということではないのです。
では、具体的にどこまでデータを細かく見ればいいのでしょうか?
際限なく細かく分析できる時間はなかなかとれません。
そこで、ここは最低限、見ておくべきという項目をピックアップしました。
最低限チェックしておくべきwebサイトの項目7つ
NPO団体の公式サイトは、その社会課題に対して興味関心をもってくれる人や支援してくれる人がどのような人か、その姿を明らかにするための一助となります。
そのためには、
- 地域
- 年齢
- 性別
- 参照元/メディア
- 閲覧ページ
- 興味関心
- 流入クエリ
の7つをチェックしましょう。
地域
例えば、国内のこどもの貧困問題に対してアプローチしているNPO団体のwebサイトに、ロシアからの流入が急激に増えていた場合、どう思いますか?
さすがに「ロシアの人たちが日本のこどもの貧困問題に強い関心を示している」とは考えにくいのではないでしょうか?
また、前述した「リファラスパム」は地域別で見ると海外からの流入としてカウントされていることが多く、このように地域別の数値を見ることで異変に気付くきっかけになります。
逆に大阪でイベントを行う告知をしている間、大阪からのセッションが普段から増えていたら「うまくいっている」と判断できますよね。
このように、自団体の活動範囲に応じて、きちんと関連のある地域からの流入を得られているかは確認しておくべきでしょう。
年齢
ターゲットとしている年齢層からアクセスできているか、もしくは自団体が向き合っている社会課題について問題意識をもっている世代はどこか、きちんと見ているでしょうか?
例えば、「若者にもっと政治に参加してほしい、投票率を上げたい」と活動をしていても、実は若者当事者はwebサイトに訪れておらず、その親や祖父母世代のほうがサイトを良く見ている可能性があります。
であれば、若者への直接的なメッセージよりも、親世代・祖父母世代に対して、活動への賛同や寄付を募るようなメッセージの方が直近で効果が出ると考えられます。
webサイトに訪れている人の年齢層にあわせたメッセージを掲載するか、本当に見てほしい年齢層が別にあるのであれば、webサイトに呼び込む施策が必要です。
性別
「家庭内暴力」の被害にあっているのは女性だけでしょうか?
男性が女性に暴力をふるっているだけでなく、逆に女性が男性に暴力をふるっていることもありますよね。
家庭内暴力の被害者を支援する団体が、女性に相談しやすい窓口をつくろうとした場合、男性の被害者が助けを求めづらくなってしまっては困りますよね。
自団体のwebサイトに訪れている人の男女の割合を見て、男性も女性と等しく見ているのであれば、男性でも相談しやすい環境を用意することが問題の解決に一歩つながるのではないでしょうか。
このように社会課題に対して、特定の性別の人にとって関連があるというイメージがあっても、実際にはもう片方の性別の人も問題として関心を持っている可能性があります。
参照元/メディア
FacebookやTwitterを使って情報を発信しているNPO団体も増えてきていますよね。
果たして、そのSNSからの情報発信に成果はあるのでしょうか?
参照元/メディアでは、webサイトを訪れた人が、検索から訪れたのか、SNSから訪れたのか、広告から訪れたのか、他サイトから訪れたのか、などが分かります。
もしSNSでの情報発信に力を入れていて、SNSからwebサイトを訪問する人が増えたとしたら、情報発信の成果といえるでしょう。
逆にまったくSNSからの流入が増えていなければ、発する情報や発信方法について見直してみるべきです。
閲覧ページ
一番伝えたいメッセージが記載されたページは、サイト訪問者にきちんと見られているでしょうか?
もし見られていない場合は、そのページへの導線を改善したり、いっそのこと、よく見られているページにその内容を移動させたりしたほうが良いです。
webサイトへの訪問者の総数が多くても、サイトを通じて伝えたい内容が伝わっていないのは勿体無いです。
興味関心
webサイトを訪れている人がどのような分野に興味をもっているか、支援者のペルソナを作る上で参考になるデータです。
例えば環境保護の団体のwebサイトに訪れいている人に、科学やテクノロジーに興味を持っている人が多い場合は、理系の技術職についている人で学生時代に環境について学び、その後も環境保護に関心をもっている、というペルソナを設定することができます。
流入クエリ
どのような検索クエリ(検索語句)でwebサイトに訪れている人が多いのでしょうか?
自団体に関心をもっている人がどのような検索を行っているかがわかれば、その検索に対してSEO対策を講じ、さらなるセッション獲得を目指すことだってできます。
流入クエリはGoogleAnalyticsで確認することができます。
ただし、最近ではデータをとれなくなってきており、検索クエリを確認するのであれば、Google Ad Granstのようなリスティング広告で確認するほうが、多くのクエリデータを得ることができます。
データを1画面で見られるダッシュボード
自団体の支援者や、自団体の活動を必要としている人を把握するために、以上7つの項目は最低限でもチェックしておくことをおすすめします。
しかし、たった7つと言えど、わざわざ確認する時間が取れない、という方もいるでしょう。
そのような方に、1画面でデータを確認できるダッシュボードを紹介したいと思います。
料金:
フリープラン:無料
当社指定のタグを挿入していただける方には、本サービスを無料でご提供いたします。
カスタムプラン:お見積り
レポート内容を細かくカスタマイズしたい場合はこちらのプラン。
※カスタムプランをご希望の方は、下記のお申し込みフォームにてご要望の内容をご記入の上、送信してください。内容に応じてお見積りをいたします。
※フリープランからカスタムプランへのプラン変更も可能です。
利用条件:
- 特定非営利活動法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人 に該当すること
- Google AdWords(Google Ad Grants)およびGoogleアナリティクスのアカウントご共有
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サンプル画像:
毎日たったの5分もあれば、URLの1クリックで簡単にダッシュボードにログインし、データを確認することができます。
また、より細かくデータを見たい際、どこを深掘ればいいのか検討をつけるのにも便利です。
Facebookのデータ連携も近日実装予定です。
このダッシュボードでは最低限チェックしておくべき項目をまとめていますが、さらにより詳しく見たい方は、以前の記事『NPOのマーケティングを助ける!無償で使えるBIツールTableau(タブロー)』でご紹介しました、BIツールTableau(タブロー)をおすすめします。
※「Tableau(タブロー)は高機能で使いこなせない」という方は、本記事で紹介しているダッシュボードの方が使いやすいかもしれません。
また、Tableau(タブロー)の利用条件に該当しない団体の方でも、ご利用いただける場合がございます。
ダッシュボードの提供について詳しく知りたい方は、こちらよりお問い合わせください。
データは分析までしてこそ価値がある
webの時代によってデータ収集が容易になりましたが、ひたすらデータを集めているだけで終わっていませんか?
データは貯めた後、分析までしてこそ意味のあるものです。
しかし経験がないと難しく感じてしまいますよね。
そのようなときはツールを使って、少しでもデータ分析までのハードルを下げてみてはいかがでしょうか?