
Google Ad Grants運用におけるキーワード設定のコツ
GoogleAdGrants(グーグルアドグランツ)を運用している方は、どのようなキーワードを設定しているでしょうか。
検索広告を始めるにあたって、最初に適切なキーワードを設定できるかで、広告の結果が左右されることもあります。
今回はGoogle Ad Grants運用におけるキーワード設定のコツをご紹介します。
キーワードとはユーザーの欲求
検索する際にユーザーが入力するキーワードとは、ずばり「そのときのユーザーの欲求」そのものです。
『渋谷 ラーメン』と検索すれば、渋谷にあるラーメン店を探していると考えられますし、『旅館 予約』と検索すれば、旅館を探して予約をしたいユーザーだと考えられます。
このようにキーワードとは、ユーザーの欲求が具現化したものといえます。
検索広告でキーワードを設定する際は、そのキーワードを検索するユーザーが何を考え、何を望んでいるのかを想像しなければなりません。
ユーザーの検索意図と広告がぴったり当てはまることによって、届けたい相手に届けたい情報を見せることができます。
NPO法人が寄附を募りたいのであれば、寄附したい人が検索するであろうキーワードを設定し、ボランティアを募集するのであれば、ボランティアしたい人が検索するであろうキーワードを設定するべきです。
同じNPO法人の広告であっても、寄附とボランティア募集で目的が異なるのであれば、キーワードをあべこべに設定した場合、思ったほどの成果は望めないでしょう。
キーワードとアクションの距離
広告を通して、ユーザーにとって欲しいアクションがあります。
例えば寄附を募りたい場合、どのようなキーワードを設定するべきでしょうか。
まず『寄附』という単語が考えられます。
寄附をしたいユーザーに広告を配信するわけですから、『寄附』と検索すると考えられます。
しかし『寄附』と検索するユーザーは寄付をしたい人だけでしょうか。
寄附の事例や現状について調べているかもしれませんし、寄附とはそもそもどのような行為なのか調べているのかもしれません。
もしくは寄附を募りたい側なのかもしれません。
このように『寄附』というキーワードの背景にある検索意図は幅広く、『寄附』をキーワードに寄附を募る広告を配信したとしても、100%寄附をしたい人に広告を配信できるわけではありません。
そこで『寄附』よりも寄附したい人に近いキーワードを考える必要があります。
例えば『寄附 税金対策』で検索する場合は、税金対策の1つとして寄附を候補に挙げている状況だと考えられます。
検索によって、寄附をするメリットが伝われば、寄附してくれるかもしれませんが、他にもっとメリットがあると感じる別の税金対策があれば、寄附をしないかもしれません。
寄附をするか、しないか、の分岐点にいるユーザーと考えられます。
『寄附 服』や『寄附 食糧』と検索する場合はどうでしょう。
寄附するものが具体的に決まっており、かつ手元に余っている状況が考えられます。
いらなくなった服や余った食糧の寄附を考えているとき、その受け入れ先がなければ寄附はできません。
しかし受け入れ先さえ見つかれば、寄附するまでのハードルが下がります。
また『寄附 団体名』のように、特定の団体に寄附をしたい場合は、より確実に寄附をする可能性が高まります。
なぜならすでに寄附する先を決めているからです。
『寄附 団体名 服』のように、さらに具体性の高いキーワードだとすれば、ユーザーの意欲はより高いと言えるでしょう。
このようにキーワードにはそれぞれアクションへの距離感があります。
この距離感を表したのが下記の図です。
もっともアクションまでの距離が近いユーザーを『コアターゲット』、遠ざかるにつれて『顕在ターゲット』、『準顕在ターゲット』、『潜在ターゲット』と分類できます。
アクションまでの距離が近いほど、アクションを起こしてくれる可能性が高まります。
逆にアクションまでの距離が遠ざかるほど、検索ボリュームは多くなり、多くのユーザーに接触ができます。
アクションを狙うならコアターゲットから狙う
ユーザーに特定の行動をとって欲しいのであれば、まずはアクションを起こす可能性の高いコアターゲットから広告を配信していきましょう。
Google Ad Grantsの10,000米ドルの広告費を使って、コアターゲットから狙う場合と、潜在ターゲットから狙う場合では、コアターゲットから狙った方がより多くのアクションを獲得できるからです。
ただし、コアターゲットだけでは検索ボリュームが少なく、10,000米ドルを使いきれない可能性があります。
検索ボリュームが足りない場合は、顕在ターゲット、準顕在ターゲット、と配信キーワードを広げていきましょう。
コアターゲットほどではありませんが、顕在ターゲットや準顕在ターゲットにもアクションを起こしてくれるであろうユーザーが存在しているはずです。
認知を狙うなら潜在ターゲットから狙う
一方、団体の認知が目的であれば、コアターゲットにはすでに認知されている可能性が高いため、まだ認知していないユーザーがたくさんいると考えられる潜在ターゲットから狙うべきです。
また潜在ターゲットに接触することで、潜在ターゲットから顕在ターゲット、コアターゲットに移行するユーザーもいるでしょう。
顕在ターゲットやコアターゲットの母数を増やすことで、アクションを求める段階に移った際の、アクションする可能性の高いユーザーを増やすことに繋がります。
Google Ad Grants特有の落とし穴:上限クリック単価
ここまでキーワード設定における基本の考え方を説明してきましたが、Google Ad Grants特有の落とし穴がひとつあるので触れておきたいと思います。
Google Ad Grantsや有料のGoogleAdWordsのような検索広告では、同じキーワードに対して広告掲載を希望する複数の広告がある場合、オークション形式での勝負を行い、掲載結果が決定されます。
Googleのアルゴリズムよって下された広告の品質と、広告主が決めた上限クリック単価(=1クリックあたりの希望金額)の掛け合わせの大きさにより掲載順位が決定されるのです。
つまり同等の品質として評価された広告では、上限クリック単価が高い方が勝ち、広告の掲載順位が高くなります。
しかしGoogle Ad Grantsでは、この上限クリック単価の上限が2ドルと決まっています。
潜在ターゲット向けのキーワードは検索ボリュームも多く、多くの人が考え付きやすいキーワードであるため、多くの広告主がそのキーワードで広告を配信しようとしている可能性が高く、競争が激しくなることで上限単価の相場が高い傾向にあります。
もし上限クリック単価を2ドルで設定している広告が掲載枠以上あるとすれば、掲載順位は広告の品質によって決定され、掲載枠からはみ出した広告は掲載されることもありません。
また、Google Ad Grantsではアカウントの1日あたりの予算上限が329ドルであるため、単価が高いキーワードでは、少ないクリック数で上限予算に達してしまう可能性が高くなります。
このようにGoogle Ad Grantsでは、広告掲載が困難になる場合があることも覚えておきましょう。
広告の品質を上げるための施策については別の記事で詳しく説明いたします。
Google Ad Grantsで成果が出ないときはキーワードの見直しを
キーワード設定によって、検索広告の結果に差が生じます。
もし現在Google Ad Grantsを運用していて思うような効果が得られないのであれば、一度キーワードを見直してみることをおすすめします。
☆Google Ad Grants運用のための基礎知識&運用のコツ☆